2006年04月19日

休日

四月十七日(月)
数ヶ月ぶりにSRに乗る。所沢の父の墓へ。この一年、SRに乗るといえば墓参りしか思いつかず熟年街道まっしぐらである。半時ほど佇んだ後実家に寄るが無人だったので近所をSRで巡り、卒業した中学校の校庭に今も咲く八重桜を眺めながら一服した。校舎は卒業当時と変わっていなかったが、クラブ活動をしていた生徒に尋ねると自分がいたころは学年で九クラスあったのが今は五クラスだそうだ。中学校は玉川上水に面している。玉川上水は小金井のあたりの土手の桜が有名で、幼いころはそれほど感じていなかったその美しさがこの歳になると妙にありがたいものに思え、なかなか立ち去り難い。

写真は帰り道に立ち寄った「でんえん」(以前の日記になにか書いた)

投稿者 uga : 23:35 | コメント (6)

2006年04月08日

昔話

 もう四年も前のこと、夏に雑司が谷のそば屋でご主人と話していたところ、その店のご主人はわたしが以前行ったことのある諏訪のそば屋と近しい間柄で、彼のところは水がいいのでそれがなによりうらやましいと仰る。それを聞きふと思い立ってそばを辿って旅がしたくなり、XS650splに跨り諏訪を再訪した。諏訪の店は繁盛しているようで休日だと慌しい雰囲気だが、平日の午後だったのでのんびり一杯やりながらそばを楽しめた。
 そこで旅の目的を話し「ご主人が気になるそば屋というのはどんなところですか」と尋ねると、「知り合いというわけではないが」と奈良にあるそば屋を紹介してくれた。すぐ東京に帰るつもりはなかったので、そのまま乗鞍を回って奈良に向かった。
 東大寺に近いそのそば屋は古い一軒家をそのまま店にしたもので、予約をしないと入れないほど流行っているところだった。小さなざるに盛られたそばは上品なものだったと覚えている。そこでも食後、非礼を詫びつつご主人に「ここは、というそば屋はありますか」と尋ねたところ京都の東山三条にほど近い新進のそば屋を紹介され、翌日訪ねた。
 京都のそば屋はカウンターだけのバーのような雰囲気で、まず塩で食えと指示があるような店だった。まだ新そばの季節ではなかったせいかあまり感慨もなく、なんとなく興ざめしてそば繋がりの旅はそこで終わった。そば屋のご主人が気になるそばというのを辿ってみると、どんどんそば自体が厳選され研がれていくけれども、その反面身近にある親しみやすさに欠けて行くような気がした。
 お気に入りのそば屋は歩いていけるところにあるのがいいと今では思っている。

投稿者 uga : 12:21 | コメント (8)