2005年10月22日

似合っているか

店を訪れてくださる方々とその跨る車両とを同時に見て、よく思うことがある。「(人とオートバイの組み合わせが)似合っているなぁ」と。

「似合う」とはどういうことか。
何度もその組み合わせを見て「見慣れる」のと、「似合っている」と感じるのとではなにかが違うのだ。初めて見ても「似合っている」と感じさせる組み合わせもあれば、何度見てもどことなくぎこちなさが感じられる組み合わせもある。馴染むのと似合うのとには違いがあるのだろう。

人に関して言えばその服装や装備を含めた「いでたち」が各々のオートバイの性格に似合っているかどうかも関係しそうだが、たとえばレーシングスーツでカブに跨っていても、雰囲気がしっくりくる人とそうでない人がいる。Tシャツにジーンズという格好でも最新型スーパースポーツにしっくりくる人だっているのだ。ヘルメットがジェットかフルフェイスかという問題ではないようだ。

日頃、修理を終えた車両に跨り軽く試乗に出ることがあるが、わたしがフルカウルのレーサーレプリカに跨ったりすると、ucgが「似合わねぇ〜」とヤジを飛ばす。半ヘルでトラッカーなどに乗ったりしていると爆笑される始末だ。わたし自身はまんざらでもない気でいるのに。

さて、この「似合う」「似合わない」というのはなんなのだろう。単なる主観なのか。それとも人にもモノにも波長のようなものがあって、それが和音のように共鳴し合うかどうといった、ある種の客観性をもつことなのか。

SRというオートバイはまったくのノーマルで乗り続ける人は少ない。どこかしら手を入れていくことが(汎用品のポン着けであっても)、それぞれのオーナーの趣味を反映させ、その人の雰囲気に似合ったものを作っていく過程を楽しむ遊び方なのかもしれない。逆に、まったくのノーマルのまま長く乗り続けること自体が他にない個性となっている場合さえある。おもしろいものだとつくづく思う。

投稿者 uga : 03:25 | コメント (4)