2008年04月02日

ホイールベアリング

ホイールベアリングをチューニングする際のポイントについて

GARAGE-UCGではタイヤ交換やスプロケット交換の際、必ずホイールベアリングのチェックをしている。チェックポイントは回転にゴロツキがないか、位置は適正か、などが主なもの。それらに異常が感じられる場合、確認してみるとたいていはグリスが乾いていたりサビが発生していたりする。位置が適正か否かは、スペーサーがカタカタするような状態になっていないか、あるいは逆にベアリングが指で回せないほどきつく打ち込まれていないか等で判断できるのだが、カタカタしているものは大半がベアリング自体に異常が発生していたりする。それもそのはずで、位置が悪ければアクスルを適正トルクで締め付けたとき、ベアリングがこじられるような位置で回転することになってしまうからだ。経験的に言えば、スペーサーは指で軽く押したくらいでは位置がズレないくらいの状態になっていて、なおかつベアリングは指でコロコロ回せるくらいの位置にあるのが望ましいようだ。このあたりの感触は言葉にしにくいので、指に覚えてもらうほかない。

ベアリングは両側接触のラバーシールのものを主に使用している。レースでもないかぎり、これが一般使用には一番無難であるし、コストを抑えて長期安定使用するにはグリスの乾きを極力抑えられるものがよいからである。
シールされたベアリング内部のグリスの量は、詰めればよいというものではなく、発熱を抑えるためにも、内部空間の30%あたりを目安に封入するべきである。新品の両面シールのベアリングはほぼこの量のグリスがあらかじめ詰められている。GARAGE-UCGではそこへグリスの粘度を落とし(グリス自体の金属表面への吸着性は上げる=油膜を強める)ながら乾燥を抑えるために特殊な液体グリスを添加して、シールの抵抗も極力抑えられるように加工している。これによってベアリング単体の回転はより軽くなる。

実は以前から、ベアリングがノーマル状態のものと、上記の加工をして適正な組付けをしたものとで、車両を引っ張って動き始める瞬間の重さをバネ秤で計測する実験を企画しているのだが、なかなかそれを実行するヒマがなく、実測値を公開できずにいる。車両を押してみての変化はすぐに実感できるほどの違いがあるので、数値にすればおそらく驚くほどの違いがあるものと確信してはいるのだが。

投稿者 uga : 00:37 | コメント (4)